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地方の公的病院の行く末・・恐ろしい未来

私が所属している行政経営フォーラムの会員である城西大学助教授の伊関さんの講演が、下記のアドレスで動画が提供されているとのメールが来ていました。
http://www1.jiu.ac.jp/doctor/
この方は、元埼玉県庁の職員で、現在は大学の助教授をしながら病院のコンサルタントなどもされており、あの夕張市民病院の再建にも当たった方です。そこで、夜になって仕事が一段落してから、ざっと見てみましたが、現場の経験が豊富で夕張という修羅場を踏んだ方だけあって、目から鱗がぼろぼろと落ちるような話ばかりでした。
- PFIで病院を建設したら絶対だめ。かえって高くつく。
- 病院の新築はとてもリスクが大きい。建設費を相当に安くしないとだめ。
- 診療科目の医師がある程度の人数以上揃っていないようなことをすると、いずれ医師が抜けて大変な事になる。
- 体制の整っていない病院の小児科医や、救急医の殺人的な忙しさ。
この点については、私も某大学病院の小児科の先生を何人も知っていましたので、その寿命をすり減らすような忙しさは良く分かります。そして、国家公務員でしたから、決して給料も高くはないのです。市役所の現業職員と大して変わりません。どうして辞めないのかというと、高い使命感と言うしかないのでしょう。尊敬に値します。高校の同級生にも、九州の小児外科で有数の腕を持つ医師がいますが、彼は単身赴任でその激務に耐えていました。難しい手術になると、県外の病院から呼ばれて出かけて行っていました。
話が少し横にそれましたが、なるほどと思うことの連続です。もちろん、公的な病院についてのことですが、これから地域の公的病院を新築しようという計画のある地域の方は、この方の講演の動画を是非見てください。
もう手遅れの地域もあると思いますが、この講演を参考にして手を打てば、まだ多少は被害を食い止めることが出来るかもしれません。伊関さんを講師に呼びたくても呼べない地域の方も、この動画を皆で見れば、よい勉強会が出来ると思います。
それから、多くの経営能力の弱い市役所が経営している病院で、これから起こる恐ろしいことも予言されています。
例えば、医師を相場のはるかに安い給与(条例で決められていることが多いですね。議会の反対もあるので、なかなか大幅に引き上げることは困難です)で雇おうとする。「これじゃ、無理だよ」と言っても、「議会が了解しないですから」と言って責任を放棄する市役所幹部。そうなると、いずれ医師が流出して補充が出来なくなる。
また、現実をわかっている市長が、三千万円以上の給料で何とか産婦人科の医者を見つけてきても、現実に理解のない議員の心無い発言が、その医師をその土地から去ることを決断させた例。
実は、この問題は、病院に限りません。多くの田舎は、良い人材を外部から求めようとする場合に、議会も市役所も住民もその地域の相場からするとかなりの高給を出すことには反対します。「何で、そんな高い金を出して、外から人を雇わなきゃいけないんだ。地元にも良い人はいるだろう」と。もっとも、全国的なレベルからすると全然高くはないのですが。
そのような意見を言う人は、なぜ、多くの田舎の企業は、外に出て活躍できないと思うのでしょうか。県外で仕事が取れないのでしょうか。多くの田舎の市役所は、行革ランキングでも順位が低いのでしょうか。それは、人材が少ないことに他なりません。
その点、明治維新の頃の指導者層は偉かったと思います。高いお給料を出して、外国人技術者を雇ってきたのですから。「知価社会」などという言葉もない時代に、知識や技術の重要性をわかっていた。多くの地方が学ばなくてはいけないことではないでしょうか。
伊関さんのブログもお薦めです。フルネームは「伊関友伸」さんです。
2007年3月9日

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