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財政が厳しい地方自治体の行政改革を、独自のノウハウでお手伝いします。
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2006年7月23日 |  最新版
地方自治体の経営について考えること (3)
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将来の治水事業はどうなるか?

なかなか梅雨も明けず、九州は今、大雨である。今はまだ被害があっても、何とか復旧の事業が行われるが、これが、10年、20年後となるとどうなるのかと思いながら、雨音を聞いている。

人口が減ろうが増えようが、お天道様はそんなことに関係なく、雨を降らせるときは雨を降らせる。10年後、20年後は今よりも山村に人がおらず、よほど山に予算を入れない限り、山は今より荒れている。

そのときのことを考えると、恐ろしい限りである。政府の財政状況から見て、下流に人がたくさん住んでいる河川の上流部に重点的に予算が投入され、下流の人口も少ない地帯は放置されることになるだろう。

これから家を建てるときは、先人が決して家を建てなかった河川の遊水地などや地盤の悪いところには立ててはならない。自衛しなくてはならない。

佐賀県の神埼市では、江戸時代に成富兵庫茂安という治水の神様のような人が遊水地としていたところにも宅地開発を認めている。建設会社も平気でそんなところに宅地開発するし、住民も自分で調べもせず、そんな危ないところを買っている。

「自己責任」という言葉は誤解を呼びやすいが、家は一生に一度の買い物である。家が耐震かどうかという前に、まず土地の安全性の評価が第一である。
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私の本が9月末に出版されます

個人的には、良いこともあった。佐賀市役所が行ったIT改革のことを日経BP企画から9月末に出版することが決まった。今は出版業界も厳しく、難航したが、このままでは自治体のIT政策は金ばかりかかって非常に効果の小さなものになってしまう。もう少し具体的なことが決まったら、HPでも詳しくお知らせしたい。

もう一つは、福岡の仁愛保育園を見学できたことである。前回もお奨めした原田隆史先生から薦められて見学してきたのだが、立腰教育を保育所で実践している素晴らしいところである。

5歳の子供たちがここまで出来るのかと驚くとともに、教育の大切さを感じさせる。見学レポートは、別にHPに掲載したい。

さて、前回、自治体も二極化していくことを述べたが、それを裏付けることが更に情報としてはいってきたので、少し書いてみたい。
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1. インターネット普及率の格差

ここ数ヶ月は、IT企業の関係で講演することが多いのだが、その席では、「金のない自治体には、電子申請などは決して薦めないこと」をアドバイスしている。

なぜなら、現状では、電子申請システムを入れても殆ど利用は増えないので、金ばかりかかって効果が低いからである。利用が殆ど増えない理由は別の機会で詳しく述べたいが、このことを調べていく中で、県別のインターネット普及率にすでに大きな差が発生していることがわかった。

平成17年度の情報通信白書の表の一つに、都道府県別のインターネット普及率の比較表がある。全国平均は、49.7%なのだが、第一位が意外なことに香川県で71.7%、第二位が東京都で62.2%、第三位が神奈川県で59.7%である。そして、第45位が沖縄県で31.3%、第46位が富山県で30.0%、そして最下位は青森県で26.8%である。佐賀県は34.7%で、かなり下である。(なぜ香川県が一位なのか、理由は調査中)

佐賀市は市役所の調査では、全国平均より上であったと思うが、第一位と最下位では、こんなにも大きな差がある。県内の市町村別で見るともっと大きな差があるはずで、青森県などは、おそらく青森市がもっと高く、町村ではインターネット普及率が10%台のところがいくつもあるのではないだろうか。

インターネット普及率が全国平均以下のところでは、電子申請などは導入しても全く意味はない。そもそも、インターネットは、情報格差を縮める効果がある可能性があるのだから、田舎ほど導入に力を入れないといけないのだが現状は逆である。
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2. 不交付団体が24増加して171に

先日の新聞報道では、政府から地方交付税交付金の交付を受けない地方自治体が昨年度に比べて24増えて、171になったとの記事があった。

多くの自治体では、財政力指数や経常収支比率が悪化してきているが、一方で、業績の良い企業を抱える自治体や都市部の自治体などは、景気回復の影響もあり、財政状態は良好である。都道府県レベルでは、東京都と今回新たに愛知県が不交付団体となり、市町村では、トヨタグループのある愛知県を中心として、不交付団体が増えた。

かなりの数の自治体が、税収が増えていると思うが、それがどの企業からの増収か、今後も長続きするのか、今回の定率減税廃止による増税効果なのか、浮かれずに良く見極めなくてはならない。

話が横にそれるが、特に気になるのは、収入役廃止が可能となった今、長い間の低金利を前提とした公共事業の執行スタイルを切り替えることに気が向いていない自治体が多いことである。今後は、金利の動向に注意を払わなくてはならない。アメリカの金利がどう動くかによっては、日本の金利も予想以上の速さで上昇する可能性もあり、それが、自治体の財政にどう影響するかだけでなく、地域経済にどのような影響をもたらすかを注視しなくてはならない。
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3. 市町村合併の「毒」

前回で、地方の人口減少の市町村が打つべきは、マンチェスター戦略のように「弱者は一点集中」と言うことを述べた。急いで行政改革をして、種銭を作り、そして勝負する分野に投資するのである。

この話をある市の職員にしたら、「失敗したらどうするのですか?」と聞かれた。そのリスクは大きい。しかし、何もしなかったら、確実に衰退する。

別に、今年中に勝負しろと言っているわけではない。国から言われてやるのではなく、自分の頭で考えてアイデアが出れば、勝負すればよい。よいプランが出てこなかったら、じっと茹で上がるのを待てばよいだけのことである。50歳台の役人は逃げ切れるが、30台、40台は逃げ切れない。

ただ、勝負する場合には、一職員がやると言うレベルではなく、公約レベルで住民に説明して、失敗したら、政治責任を取るべきであることは言うまでもない。

この一点集中と言うか重点投資をするについて、市町村合併をしたところは大変やりにくくなっている。合併すると、「均衡ある発展」という国レベルでは死んでしまった言葉が「ゾンビ」のようによみがえるからである。

こうなると、一点集中は極めて難しい。

佐賀県内の例で言うと、昨年合併した唐津市などは旧唐津市にとってはとても方向性の見出しにくい合併となった。また、旧唐津市だけであれば、0.51あった財政力指数が合併後は0.39まで低下しており、経常収支比率も悪化。方向性が出しにくいと言うだけでなく、種銭も殆どないという状況である。しかし、住民はそのことすら気がついていない。唐津市役所のHPでは、財政状況がどう変化したかの情報も殆ど載っておらず、住民はこのことを知りようがない。(インターネット利用率も低いはずなので、HPに掲示してもあまり意味はないかもしれないが)
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4. やるべきことはやらなくてはならない

しかしそうは言っても、やるべきことは市役所として、また首長としてやらなくてはならない。

まずやるべきことは、将来の人口と財政の見通しを職員、議員、住民に何回も何回も説明することである。

ほとんどの住民は、自分たちの町の人口が今後どれだけ減るか知らないし、労働力人口の減少と高齢者人口の増加がどの程度で、どう影響が出てくるのかも想像したことがない。地方に行けば行くほど、現実を見ようとしない傾向がある。

まず、5歳刻みの人口構成の推移とその影響を職員、議員、住民に伝えなくてはならない。

そして、同時に、財政の本当の見通しを伝えなくてはならない。佐賀県庁の場合は、5年程度の中期財政見通を毎年発表する際に、赤字にならないような見通しを出すように指導していた(税収か交付税交付金が増えるように修正するのである)。

この財政の見通しを、インチキはやめて、今の税制のままで行くとどうなるかを、出来るだけ現実的に説明するのである。その際には、当然、公共事業や福祉、補助金などが減ることを説明することになるし、住民からは、公務員の人件費をきちんと減らす(民間の相場で減らすと言う意味である)ことが先ではないかと批判が出るが、そこから逃げてはならない。

当然のことながら、大阪市役所が批判を受けたような、税金で背広を配っていたとか、職員の結婚祝い金の半分が税金でまかなわれていたというようなことは当然廃止しなくてはならない。

次回以降、財政危機という前に自治体がやるべきことを説明していく。住民がびっくりするようなことがたくさんある。

2006年7月23日
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